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星と嗚咽

キーファの恋敵アンナ・リサの苦悩を描いた小話です。

妄想、創作が苦手な方はご注意ください。



なお、お題はTwitter上のタグ #深夜の真剣文字書き60分一本勝負 からお借りしました。

初めてのフリーワンライです…


****************




「悪い。生憎その日は予定が入ってるんだーー」


この国では一年に一度、日が昇らない神秘的な一日のことを「星の日」と呼び、とても大切にしている。

幻想的な雰囲気の中、ある者は先祖を偲び、カップルたちはロマンティックなデートへと出かけていく。



学生時代の3年間、私の目線の先にはいつも「彼」がいた。

成績優秀、生徒会長を務めるクラスの人気者。

彼の周りには、いつも人だかりができていた。

同級生にも、年下にも好かれている、優しくて、笑顔の素敵な彼。

そんな彼ととても親しげに話す、下級生の女の子。

彼の幼馴染でもある彼女は、実はこの国の未来を担う王女様。

そんな高貴な身分に生まれた彼女を「お前」なんて呼ぶのは、彼ぐらいのものだろう。


「星の日」も彼は毎年、彼女と出かけていた。

「特に意味はないよ。」

彼は友人たちに冷やかされて否定していたけれど、私にはわかるの。

彼女の瞳はいつだって、あなたを見つめている。


そう、私と同じようにね。


あなたに私がつけ入る隙など、これっぽっちもなかった。

私は、あなたにこれ以上近づくことも許されないの?



「星の日」に片思いの男性とデートしたら、その恋は成就する――


そんなジンクスを唱えたのは一体どこの誰なのかしら。

女の子の憧れ。嫉妬。




「一度でいいから、私もあなたと一緒に星の日デートがしたい…。」


彼と付き合って、初めての星の日。

ようやく私の願いが叶うーー。

そんな嬉しさが私の頬を紅く染めた。

しかし、彼の口からは思いがけない言葉が返ってきた。


「ごめん、それはできない」

「………。」


どうして、とは言えなかった。だって、わかっていたから。

やっぱり、彼の一番は私じゃなくてあの子だったんだ…。

堪えきれずに大粒の涙が私の頬をつたう。

私の存在が彼を困惑させている――。

彼の何とも言えない表情がより一層、私の心を苦しくさせた。


もう彼と一緒にはいられないかもしれない。


私の嗚咽が聞こえないよう、自宅には入らず、塔の間で朝まで泣きはらした。

万が一、両親の耳に入って心配なんてされたらみっともないもの…。



翌日、別れを切り出される覚悟で彼からの呼び出しに応じた。

私の…最後の我儘。

「私も、あの子みたいに”お前”って呼ばれたかった」

それを言うと彼はいつもの如く、困った顔になった。

やっぱり。彼にとって彼女は…

最後まで考え終わらないうちに突然、彼の腕に抱きしめられた。

これまでにないくらいの力強さで――


「――俺の中で――お前は特別な存在なんだ――」


――その言葉だけで――充分。

私の目からは、昨日とは違う涙が溢れ出した。

「あいつは俺にとって家族みたいなもんなんだ…。星の日に出かけるのも、お前って呼ぶのも、君に対して失礼なんじゃないかって思ってた。」

「そんなことない。…嬉しい…」

すると彼は覚悟を決めたように、ごくりと一度唾を飲み込んだ。

「これからも君にとっての一番でありたい。俺の家族になってくれませんか」

「はい…喜んで――」


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